お答えします
「もちかかのみてむ」の「もちー」は接頭語ですね。接頭語には語の意味を強める働きがあります。「たち現れ」の「たちー」も同様の例です。ただし「思ひ悩み」「行き合ひ」などの複合動詞とは区別する必要があります。
View Article世界平和祈りの集い祝詞(令和元年10月26日・於川崎大師信徒会館)
御仏(みほとけ)坐(ましま)す 川崎大師平間寺の これの信徒会館をば 暫(しまし)しの斎庭(ゆには)と見立て侍りて 掛けまくも畏(かしこ)き 天神(あまつかみ)地祇(くにつかみ) 言はまくも由々しき 御仏たちの御前に 慎み敬(ゐやま)ひも白(まを)さく 鳥が鳴く東(あづま)の 川崎の里に所縁(ゆかり)ある人々 語らひ且(か)つ思ひ諮(はか)りて 相寄り相集(あひうごなは)り...
View Article祝詞入門 誤謬
神道への関心が高まり祝詞も注目されるのはよいことです。しかし肝心な点がないがしろにされているようで気掛りです。 たとえば最近出た文庫本の例文の中に、「神社本庁より献奉る宇豆の幣帛を平らけく安らけく聞食し大前に奏で奉る歌舞の技をも米具し宇牟加しと見そなはして天皇の大御代を手長の御代の厳御代と斎ひ奉り幸へ奉り給ひ」とありました。...
View Article祝詞入門 かなづかひ
短歌・俳句の創作では頻繁に行われているのに、一般的には現代文の古文変換(擬古文にする作業)はほぼ不可能と思われているようです。和文英訳は出来るのに現代語を古語に置き換えられないのは、高校までの国語学習が生きていない証拠と言えましょう。 文法学習が古文への苦手意識を促進しているといわれますが、必ずしもそうとも言えないかも知れません。たとえば歴史的仮名遣いを知らないこともネックになっていますね。...
View Article祝詞入門 万葉仮名
祝詞は宣命書きを用いて表記される。これは漢字かな混り文の先駆けとなるものである。表意文字としての漢字を大字(普通の大きさ)で表し、その活用語尾や助詞・助動詞などを小字(二分の一か四分の一の大きさ)で記す。狙いは誤読を防ぐことにあった。...
View Article祝詞入門 古語
一 現代語の弱さ よく『祝詞(のりと)は難しいので現代語を用いた方がよい』と誤解する人がある。果たしてそうであろうか。 現代人は古典・古語を遠ざけたがるが、これは学校教育が古典を疎外したことや、それを後押しした歴史的仮名遣いの軽視に出ていよう。 よく考えれば解ることだが、〈行く〉〈見る〉〈食う〉など、生活に密着した語は既に奈良時代の文献にも見えるのである。活用(語形変化)や仮名遣いが変っただけ。...
View Article愛犬M号 霊魂安定詞
あはれM号の御霊よ 汝(いまし)はしも Sの家に十九年(ととせあまりここのとせ)住み侍(はべ)りて 家人の心に喜びを与へ 時に疲れを和らげ またの時には傷付きし思ひをば癒し侍りしを 平成十五年(とあまりいつとせ)十月七日(かんなづきのなのか)に身罷(みまか)り侍りければ 斯(し)が御功績を讃へ 永久に記し置かむと 此の所をば汝が奥津城所(おくつきどころ)と定めて 御霊(みたま)鎮めの御祭執り行へば...
View Article第一回秩父湖祭祝詞(某神職の祝詞に訓・添削を試みました)
ちちの実の秩父湖のほとりなるこの広庭を 暫(しま)しの斎(ゆには)庭と祓ひ清め 忌(いみ)竹(たけ)刺し立て 注連縄(しめ)引き廻(めぐ)らし 神籬(ひもろぎ)樹(た) 招(を)ぎ奉(まつ)り鎮め奉る 掛けまくも綾に畏き 大地主大神(おほとこぬしのおほかみ)・罔象女(みづはのめの)大神・産土大神等のうづの御前(みまへ)に 恐み恐みも白さく「みすず刈る信濃山越し なまよみの甲斐路(かひぢ)遥かに...
View Article試訓 第一回秩父湖祭祝詞
試訓 第一回秩父湖祭祝詞 ちちの実(み)の秩父湖(ちちぶのうみ) しが畔(ほとり)なるこの處(ところ)を 暫(しまし)の斎庭(ゆには)と祓ひ清め 忌(いみ)竹(たけ)刺し立て 注連縄(しめ)引き廻(めぐ)らし 神籬(ひもろぎ)樹(た)てて 招(を)ぎ奉(まつ)り鎮め奉(まつ)る 掛けまくも綾(あや)に畏(かしこ)き...
View Article祝詞の仮名遣
祝詞の仮名遣 残念ながら戦後世代は現代仮名遣いで学んで来た。 そのせいで古文や漢文が苦手になった。 これは慣れで乗り越えられる。 私の母親は旧制の尋常小学校しか出ていなかったが、教師になりたての私の古文の教科書をさらりと読んで見せた。 古文が読めれば漢文の送り仮名も厄介なことはない。 神職にとって祝詞は切っても切り離せないものだ。 先人が行ってきたことを大切に守ることが、後代への橋渡しとなる。...
View Article二件の来信
先日、某氏から電話があった。 曰く、例文集に今参照したいものが載っていない。公式なものばかりだ。もっと実際に即したものは出せないのか。 別の日、某社の元神職からメイルが来た。 曰く、この頃の祝詞はなってない。宣命書きが出来ていない。云々。 私見 祝詞は自作すべきもの。稚拙でも自分で考える。どうしてもできない場合は「神恩に感謝する」内容だけでもよい。...
View Article延喜式の祝詞
「延喜式」は延喜年間に編纂された法令書。 律・令・格・式の式。 その八巻目に入っているのが〈祝詞〉。 当時の朝廷祭祀に関する主要な〈のりと〉が収録されている。 大方は和文であるが「呪」が一篇だけ漢文で入っている。
View Article高天原
高天原 アマは天空。 ハラは広々としたところ。 タカは空の高さを強調したもの。 タカアマハラとは天空の広々としたところの意。 熟して使われ出すと、タカ・アマ・ノ・ハラないしタカ・アマ・ガ・ハラと助詞を補って言うようになる。 さらにアマノの音がマノとなり、タカマノハラ・タカマガハラとなった。 ともあれ先人は空の高いところに神々の世界があると感じていた。...
View Articleかむろき・かむろみの命以て カムは神。キは男。ミは女。 神である男・神である女。 ほかにもカムロは〈おかっぱ頭〉だとする説もある。 童幼の姿の男女の神。...
かむろき・かむろみの命以て カムは神。キは男。ミは女。 神である男・神である女。 ほかにもカムロは〈おかっぱ頭〉だとする説もある。 童幼の姿の男女の神。 命=ミコト 以=モチテ 命令によって。 神々の世界である高天原にいらっしゃる男女一対の神の指示によって。
View Article我が皇御孫命は
我(あ)が 自分を言うのに〈あ〉〈わ〉〈あれ〉〈われ〉などがあった。 高天原の神自身が〈あ〉といっている。〈が〉はのにあたる。「あが」は私ノ。 皇御孫命 すめ・み・ま・の・みこと。 〈すめ〉は皇室の祖先神。 〈み〉は敬う語。 〈ま〉は孫・子孫。 〈みこと〉は敬称。神にも人にも用いる。
View Article大祓詞 冒頭
八百万の神たちをば――〈やほよろづ>=たくさん 神集へ集へ――(神々を)招集し 神議り議り給ひ――(神々が)協議なさり 我が皇御孫の命は――〈あ〉=わ・われ〈が〉=の〈すめみまのみこと〉=神の子孫(=天孫) 豊葦原—―葦の生い茂る広い場所 瑞穂—―穂が豊かに実る 豊葦原の瑞穂の国を—―葦が生い茂るほどの国を 安国と—―安らかな国として 平けく――平穏に・たいらかに 知ろしめせと――お治めなさいと...
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